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道流と亜樹と杏花と誠一……ワンスアゲイン サマーホリデー 〜いつまでも変わらぬ性癖で〜(中編)(1/6ページ目)

投稿:2021-10-01 18:12:11

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本文(1/6ページ目)

スカートの中の通りみち◆OWQgkRg
最初の話

初めての投稿です。読みにくかったらすいません。長いので、時間がある時にゆっくり読んでいただければと思います。そんなに遠くない、最近の思い出です。僕は初めての恋で自分の性癖を知る事になりました。小、中、高校とずっと机に向かっていた為、友達もかなり少なかったのです。そ…

前回の話

【前書き】こちらのお話は、『体験談』ではなく『小説』となりますのでご注意ください。投稿する際には『小説』を選択していますが、『体験談』として表示されるのはサイトの仕様なのでご理解ください。ーーーーーーーーー電話を出たとき、不思議とワクワクというか、心が…

【前書き】

こちらのお話は、『体験談』ではなく『小説』となりますのでご注意ください。

投稿する際には『小説』を選択していますが、『体験談』として表示されるのはサイトの仕様なのでご理解ください。

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【16】

翌朝。島に到着したのが十時頃だった。飛行機から降り立った道流は車で迎えに来てくれていた杏花と誠一の二人と挨拶を交わした。

誠一とは初対面だったので、ぎこちない雰囲気になるかと最初は緊張していたが、意外にもそんなことはなくて、すぐに意気投合することが出来た。

二人は似た風情をお互いに直感で感じ取ったのかもしれないが、それ以外にも、住む土地は異なるが同じ会社で働いている仕事仲間でもあるので、日々の業務や苦労話が思いの外盛り上がり、会話が途切れることはなかった。

杏花曰く、道流と誠一は業務に対する向き合い方とか、お人好しなところが似ていて、しかもそれが玉に瑕、というところまでそっくりだと言った。

道流と誠一は、なんだかこそばゆくなった。

さらに杏花は、二人の並んだ姿が遠い親戚みたいだと言った。それが顔つきなのか雰囲気なのかはわからなかったけれど、道流はそれならもしかして……と思ったりもしたが、当然そんなこと聞けるわけもないので、いつかの遠い遠い機会にとっておくことにした。

旅館へとやって来た道流は、先ほどとは打って変わり、今度は硬い表情で亜樹がいる部屋に向かった。

ドアを開けると、中にはすでに優衣花と美雪がいたが、亜樹は布団にくるまったままだった。

道流「あ〜き〜」

荷物を置いたあと、道流は少し怒ったような低い声を出しながら、布団の横に腰を下ろした。

亜樹は顔を覗かせて、

亜樹「……ごめんちゃい」と謝った。

昨晩、亜樹はやっぱり呑み過ぎていて、朝から強烈な二日酔いに襲われていた。

道流は飛行機に乗る直前に亜樹のスマホにメッセージを入れていたのだが、返事はまさかの謝罪。前日に注意したばかりだというのに、このわずかな時間で再びやらかしてしまったのだ。

誠一「すいません。僕と杏花が、しっかりと体調に気を遣っていたらよかったのですが」

妙に空々しく聞こえる言葉だった。あんな悪戯をした翌日なのに、もう遠い他人事になっていた。まだ指先にも、舌先にも、余韻が残っているというのに、都合の悪い罪悪感だけは消え失せていた。

道流「あっ、いえ、そんなことはありません。亜樹だって子供じゃありませんので、本人の自覚が足りなかっただけです。ねっ、亜樹」

温和な話し方だったけれど、その目は笑っていなかった。

亜樹「だって……だって杏花といっぱい呑めると思ったから……」

道流「でもね、限度があるでしょ」

その気持ちはちゃんとわかっていた。きっと、嬉しくて気分が舞い上がってしまったのだろうことも。

もし、道流が亜樹の立場で、久しぶりの旅行で友人と呑めるとなれば、おそらく同じように羽目を外してしまうと思う。

ただ、そうは言ってもだ。

道流は、本当に世話が焼けるなあ、といった感じで息を吐きつつ、

道流「それで、朝食は食べれたの?薬は飲んだ?」

部屋の中を見渡しながら言った。

美雪「あ、少しだけですけど、食べられてましたよ。それに薬もしっかり飲みましたから、ゆっくり眠れば大丈夫です」

亜樹に変わり、美雪が教えてくれた。

道流「わかった。ありがとう美雪。それで今日の予定はどうなってるの?」

杏花「みんなでスキューバダイビングに行こうって決めてたんだ」

誠一「場所は島の反対側ですので、車が必要ですけどね」

道流「そっか。じゃあ杏花ちゃん、優衣花と美雪をお願いしていいかな?」

優衣花「え?でも……。それじゃあ道流さんは?」

道流「うん、亜樹と一緒に留守番。いくら薬を飲んだからといって、二日酔いで海に潜るわけにはいかないからね。それに、一人にして、また自分勝手にされたら困るからさ」

道流はそう言って、横になっている亜樹の髪を撫でた。

亜樹は申し訳なさそうに、

亜樹「本当にごめんなさい」と、涙声で言った。

道流「まあいいさ。でも、みんなに迷惑かけたから、今日一日はしっかり休みなさい。いい?」

亜樹は元気なさげに、はい、と返事をした。さすがに今回は身に沁みたようだった。

そう、これはひとり旅行じゃない。みんなで一つの大切な時間を共有しているのだから、しっかりとそこは心得てもらわなければいけない。

可哀想だけれど、道流は亜樹のためを思い、まずは体調を快復させることが当然だと考えた。

杏花「よし、じゃあちょっくら行って来るか。優衣花と美雪ちゃん、部屋に戻って準備してきな。十分後に下のロビーで待ち合わせね」

そう言うと、優衣花と美雪は道流に一言謝り部屋を出て行った。

別に謝らなくてもいいのに……。本当に可愛い後輩だな、と道流はつくづく思った。

誠一「じゃあ僕達も行きますね。亜樹さん、ゆっくり休んでください。道流さんも、旅の疲れがあるでしょうから、ついでに労ってあげてくださいね」

誠一も会釈をして部屋を出て行った。

杏花「道流君、ごめんね」

道流「もう、杏花ちゃんまでなんで謝るのさ。むしろ、これが亜樹の平常運転なんだよ?忘れたの?」

杏花「ははっ、たしかにね。亜樹、大人しくしてるんだよ?」

と、意地悪く言われ、亜樹は布団から顔を出して、

亜樹「わかってるよ」と強がった。

杏花が出て行くと、少しの間沈黙があった。砂浜から届く波の音が、二人の間を心地良く流れて行く。

道流は亜樹の隣で横になり、そっと頭を撫でた。

道流「ふぅ……旅行の始まりがこれか。まあでも、これはこれで、なんかいいかもしれない」

亜樹「ごめんね。楽しみにしてたでしょ?」

道流「うん、とってもね」

それを聞いて、亜樹の表情が暗くなった。瞳には、今にも涙が溢れそうだった。

道流「亜樹に会えるのを、楽しみにしてたよ」

え?亜樹は素っ頓狂な声を出した。

道流「ははっ。今のはさすがに、ちょっとキメすぎちゃったかな」

ガラにもなく、道流は恥ずかしそうに頭を掻いた。

一度は沈みかけた気持ちを、道流はしっかりとすくい上げてくれる。亜樹は今までに何度もその優しさに救われてきた。

たった一言かもしれないけれど、亜樹の胸の内は、まるで一輪の花が咲き誇るかのような気分に満ちた。

道流「頑張って残業を終わらせて、飛行機に乗って、島にやって来て、亜樹と一緒に添い寝。……どこでも、どこに行っても、僕達はいつも通りってことだね」

亜樹「……うん。ありがとう道流」

道流「どういたしまして。……あ、そういえば」

ふと思い出したように道流は起き上がり、持ってきたバッグからカメラを取り出して来た。

亜樹「それは?」

道流「真琴からだよ、いつも通りのね。ぜひ、みんなのエッチな姿をお願いしますだって」

亜樹「また?本当に好きだよねえ」

道流は相槌を打ったあと、真剣な眼差しで亜樹を見つめた。

道流「ねえ亜樹、正直に言うね。僕さ、また亜樹のセックスが見たいと思ってるんだ。この前の、映画館や電車みたいな悪戯じゃ満足出来ないんだ。それにね、優衣花も美雪も……。あと、これは無理かもしれないけど、杏花ちゃんのエッチな姿も見たいと思ってる」

道流は興奮した様子で、ありのままの気持ちを語った。

自分でも、凄くおかしな話だと思う。妻だけでなく、あまつさえ後輩や他人の妻までも見たいだなんて……。

でもそう思ってしまうのは、つくづく性癖なのであり、嫉妬したいという感情の成れの果ての姿。妻を他人に知られたい。大切な女性を、他人に知ってもらいたい。ただ、それだけのこと。されど、それだけ

のこと。

亜樹「……私のこと、好きですか?」

道流は頷く。

亜樹「……私のこと、ちゃんと見てくれますか?」

道流は頷く。

亜樹「……私のこと、嫌いにならないでくれますか?」

道流は大きく頷いた。

亜樹「……機会があったらね」

亜樹は笑った。

【17】

海の潮風に乗るように、颯爽と二日目の時間は過ぎていった。

夜。夕食も食べ終わり、各々が部屋でくつろいでいると、道流のスマホに電話がかかってきた。時刻は七時半だった。

杏花「こんばんは」

しかし、やけにテンションが低い。どうしたのだろうか、道流は懸念を感じた。

あっまさか、亜樹と一緒で、ついに杏花も二日酔いになってしまったのではないか?と道流は思った。

道流「どうしたの?元気ないね」

杏花「ハァ。そらそうよ。だってね、誠一が昼からずっと、肝試し〜肝試し〜って言っててさ、まるで怨念よ。始まる前だってのにもう取り憑かれてるわ、この人」

道流「肝試し?」

杏花「あれ?亜樹から聞いてない?あ、じゃあいいか!みんなも疲れてるだろうからさ。ねっ、そうしよ!」

声がパッと明るくなり、しかも早口になった。

道流はまったく理解出来ず、一人ポカンとしていた。すると、電話口の向こうで誠一の声が聞こえた。なにか言っているようだけれど、ハッキリとはわからなかった。

杏花「……こいつ」

ボソッと杏花の口から漏れた。道流が、杏花ちゃん?と呼びかけると、

杏花「え?ああ、ごめんごめん。こっちの話し」

その声を聞くに、どうやら穏やかな会話ではなかったらしい。

杏花「もう、わかったわよ。道流君、優衣花と美雪ちゃんに伝えてくれる?九時になったら迎えに行くからロビーで待っててって」

道流「え、あ、うん。いいけど……」

そして、電話は静かに途切れた。

約束の時間。道流と優衣花と美雪の三人は、旅館のロビーで待っていた。

美雪「亜樹さんは留守番ですね」

道流「うん。まあしょうがないね」

優衣花「退屈なんじゃないですか?」

道流「ああ、それは大丈夫だよ。今日は亜樹の大好きな、『しゃべりまくり8』があるから。それに、最近ハマってる芸人さんが出るんだってさ。だからむしろ、楽しみにしてるよ」

三人が話していると、旅館の車寄せに一台の黒いワンボックスカーが入って来るのがガラス越しに見えた。道流達は外に出る。

車のドアが開き、黒のタンクトップにジーンズのミニスカート姿の杏花が顔を出して、

杏花「……乗って」

相変わらずテンションの低い声だった。

道流達は促されるまま、訝しげに乗り込んだ。

車は海沿いを通り、途中緩やかな坂道が続く山道へと入った。山道は砂と小石の獣道のようになっていた。

しばらく進んだところで、車内には道流の笑い声があった。

道流「あはは、そうだったんだ。それは初耳だよ。だからテンションが低かったんだね」

美雪「杏花さんにも弱点があったんですね」

優衣花「意外です」

誠一「はい。まさかあの男勝りな杏花がって僕も最初は驚きましたから」

杏花は幼い頃から心霊や怪談話が大の苦手だった。理由はこの島の言い伝えにあり、まさにこれから向かおうとしている場所も、その理由の一部だった。

誠一「でもたまには、そんな杏花の怖がる姿も見たいと思いまして」

ハンドルを握る誠一が、煽るように言った。

道流「なるほどね。だからついさっきまでお酒を呑んでたのか。杏花ちゃんも可愛いところあるんだね」

続いて道流も、後ろから助手席に座る杏花に言った。

杏花「もう、うるっさいわね!」

杏花は待ち合わせの時間まで、酒を呷るように呑んでいた。それは酒の力で恐怖心を麻痺させて、普段通りの自分を見せたいとする強がりからだった。

道流「それで、廃墟っていうのは?」

唐突に、道流が話題を変えた。杏花が振り返り、

杏花「学校の校舎よ」と返す。

校舎?道流が繰り返した。

美雪「あれ?でも、校舎ありませんでした?」

杏花「ううん。そっちは新しい校舎。今から行く校舎は戦前に建てられたんだ。なかなかに大きな校舎よ」

へえ、と道流達が声を合わせる。

杏花「以前は……と言っても大昔だけど、島では農業が盛んで主だったの。だから海よりもどちらかというと山の上、島の中心部に人の住む土地が多かったらしいのよ」

杏花は話しながら、窓の外を見回す。

杏花「けど、時が経つごとに漁業へと移り変わり、住む場所もだんだんと海に近くなっていったんだって。となると、時代の移り変わりと一緒に建物も島の外側に多くなっていくでしょ?そこから山の中にある校舎はちと遠いってことになって、新しく校舎が建てられたのがもう大分前」

道流「でもさ、そんなに大きな校舎ってことは、子供もたくさんいたってことだよね?」

杏花「そうね。ただ、それはどこも一緒だと思うけど……。近年はもう子供があまりいないから、新しい校舎も随分と小さく感じるわね」

優衣花「子供達が悪戯で近づいたりはしないんですか?」

誠一「ああ、それは大丈夫です。子供達が無闇に近づかないように、先人達がこしらえた話がありまして、昔は妖怪で、最近はたしか宇宙人がさらいに来るって話だったかな……。幼い頃から、耳にタコが出来るくらい親から言い聞かされるそうですから」

誠一は苦笑いをした。

そう、これが苦手な理由であり、今となっては腹立たしく思えることだった。

おかげさまで、大人になってもその呪縛のようなものは消えることがなく、頭ではわかっているのに自然と身体が反応してしまうことがあった。別に生活に支障をきたしているわけではないけれど、杏花の性格からすると、これは唯一許せない汚点でもあったのだ。

杏花「まあでも、信じる子供はあんまりいないわね。そんなことしなくったって、ただでさえ遠い道のりだから、好奇心で近づく子供はおろか、大人でさえろくにいないよ」

強がってそうは言ったものの、信じていた自分を思い出して少し切ない気分になった。

道流「物好きを例外として見たらでしょ?」

杏花「そっ。この誠一みたいなね!」

車内に、鮮やかな笑い声が重なった。

それから車で走ること四十分。辺りには静寂を切り開くように、エンジン音が木々の隙間を縫うようにして鳴り響いていた。

その頃にはもう、先ほどのような賑やかさはなくなっていた。

途中いくつかの、古びた木造の民家がヘッドライトに照らし出された。使われなくなってもう何十年もたっているのか、民家は朽ち果てている。

背筋に嫌な汗が滴るのを感じると、道流は目を背けた。

もともとオカルトなんて信じていない道流ではあったが、初めて目の当たりにする光景に、不思議と気持ちが没入していくのを感じた。

一方、ミラーに映る杏花は、すでに顔面蒼白といった様子だった。自分でさえこんなに寒気を感じているのだから、怖がりな杏花にしたら、かなり酷な状況だ。

道流はだんだんと、杏花が可哀想に思えてきた。

すると突然、木々が開けた。

目の前から黒い巨大な塊が迫って来る。目を凝らすと、それは光のない世界に佇む大きな校舎だった。

車でゆっくり近づいて行くと、ヘッドライトが校舎の一角を照らした。

誠一「ここが入口です」

そう言って、車を正面玄関に横付けした。

ドアを開き、車から降りると、風が肌を撫でる。

今夜は三十度の熱帯夜のはずなのに、ひんやりと冷たく感じた。

道流は腕を擦りながら、優衣花と美雪が怖がっていないか窺った。

けれど、二人はまったく。むしろ興味津々に、校舎に懐中電灯を当てながら談笑していた。もうすでに肝試しを楽しんでいるようだった。

道流は安心した。

しかし、杏花の方は大変だ。さきほどから一言も言葉を発していない。校舎とは反対の方の虚空をただ見つめながら慄然としている。

道流は誠一を見やる。

誠一は杏花そっちのけで、優衣花と美雪になにやら話しかけていた。

胸にチクリと痛みを感じた。道流は静かに歩み出し、杏花に近寄った。それから声をかけようとしたその瞬間、

「あなた達、何をしているの?」

突然女性の声がした。

杏花「出たぁぁ!幽霊!幽霊!」

杏花の絶叫が響き渡った。そして、半ばパニックに陥った杏花は、近くにいた道流に抱きついた。

道流が杏花を落ち着かせている間に、優衣花と美雪が声の主に目を凝らす。

暗い影から現れたのは、なんと御木薫だった。

美雪「あ、サイト管理人の……」と言うと、

「ん?ああ、あなた達だったの」

意味深にニヤリと笑った。

「なんでまたここに?まさか、道に迷ったわけじゃないわよね?」

誠一「あなたこそ、どうして?見るに島民ではなさそうですが……」

「ん?別に構わないでしょ?規制線が貼られているわけじゃあるまいし」

誠一「たしかにそうですが……」

誠一は不満顔だ。

「そこの二人は知ってるだろうけど、私は取材をしているの。だからこんな素敵な場所、調べないわけにはいかないでしょ?」

優衣花と美雪を一瞥する。

道流「知り合い?」

二人に質問する。

優衣花「いえ、知り合いというわけでは。昨日、たまたま砂浜で取材を受けたんです。ですが、他の方々が見えないようですけど……」

薫は腕時計を確認する。

「もうすぐ来るわ。……あ、ほら。あの車よ」

そう言って、薫は顎をクッと上げた。

道流達が後ろを振り向く。

するとワンボックスカーが一台、こちらに向かって走って来た。

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