体験談(約 13 分で読了)
【高評価】犬猿の仲だと思われている幼なじみの一軍女子が俺にケンカを売ってくる理由・完(2/2ページ目)
投稿:2026-04-28 19:41:15
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振り返った美羽が抱きついてくると俺の脇に顔をうずめて夢中で匂いをかいでいる。
「バカ幹太、引き留めるのが遅いんだから」
とろりとまどろむような瞳で頬を紅潮させた美羽は、至福の悦びに浸りきって完全に蕩けた顔になっていた。
「やっぱり……幹太のこの匂いじゃなきゃ、ダメ……」
俺の脇に顔をうずめたままウットリとした声で呟く美羽をしっかりと抱きしめたが、ふと違和感を覚えた。
「美羽、さっき引き留めるのが遅いって言ってなかったか?」
「ふんふんっ…そんなこと言ったっけ?」
ようやく顔を上げた美羽は笑いをこらえるようににやけていた。
「ごめん!留学の話は私たちを二人をくっつけるための瑠衣の作戦だったの!瑠衣がじれったすぎて見てられないって言い出して」
留学の話は瑠衣が美羽に吹き込んだ、俺をあせらせるための嘘だったのだ。
千佳に続いて美羽まで海外留学すると聞けば、さすがに俺でも告白すると思ったらしい。
「でも幹太ってば、応援するって言って引き留めてくれないんだもん」
「だって、美羽が本気でCAを目指すのなら邪魔したくなかったから」
「幹太のそういう、変に遠慮して優しいところがあるの、読み違えてたんだよね」
思い通りにならなかった瑠衣は最終手段として俺に告白して美羽への想いに気づかせようとしてくれたのだ。
「えっ…じゃあ、瑠衣の告白も嘘だったのか?」
呆然として尋ねると美羽は少しだけ真面目な顔をして俺を見た。
「ううん、半分は本気だったと思う。もし幹太が瑠衣の告白にOKしてたら、本当に留学して幹太のことをあきらめるつもりだったの」
美羽は少し視線を泳がせて俺の腕の中で白状した。
「瑠衣も本気で幹太のことが好きなんだと思う…だから、邪魔しちゃいけないかなって」
「すごいこと考えるもんだな…一軍女子ってのは」
「でも信じてたよ。幹太はきっと私を選んでくれるって」
美羽が俺の胸に顔をうずめてきつく抱きついてきた。
「そういえば…俺は美羽が好きだって言ったけど、美羽の気持ちはまだ聞いてないぞ」
「もうっわかってるでしょ?」
「わからないよ。美羽が俺のことどう思っているかなんて」
「なんで私が高校生になったら一軍女子になりたいって言い出したか、わかってる?」
突然まったく関係のようなことを聞いてきた美羽の意図がわからず戸惑ってしまった。
「え?そんなこと考えたこともないけど…目立ちたかったから?」
「ぶぶー!大はずれ!中学のとき、こっそり幹太のスマホみたら、ギャルっぽいJKのエロい画像がたくさん保存してあったし、履歴もそんな感じの…」
「美羽!プ、プライバシーって言葉知らないのか?!勝手に人のスマホ見るな!」
「だって、今でもロックかかってないし…とにかく、私はそれを見て幹太好みの一軍JKになろうと思ったの」
まさか美羽が俺のために一軍女子を目指していたなんて夢にも思わなかった。
「それなのに、大晟を引っかけるために清楚系のメイクしたら、かわいいとか言い出すからガックリきたんだけど」
それには理由があって俺は一年のときから凛花と同じクラスだったので、現実の一軍女子が傍若無人でいじめまがいのことをしているのを見て、すっかり興味を失ってしまったのだ。
もちろん凛花みたいな連中ばかりでなくて瑠衣みたいに思いやりがある子もいるとはわかったけど。
「美羽ならどんなメイクしてたっていいんだ。匂いフェチの変態で、イモ食って遠慮なくおならをしても、嫉妬深くても…たぶんずっと好きだ」
「ちょっと!なにそれ?ケンカ売ってるワケ?幹太だって、靴下脱いで顔に押し付けながら告白するって、最低なんだけど、わかってる?」
「それで喜んでアヘ顔しているクセに、一軍女子だなんてよく言えるな?」
「一軍でいるのと匂いフェチはまったく別次元の話でしょ?今日という今日は絶対許さない!」
せっかく想いが通じたというのに俺たちはケンカ芸とやめられないようだった。
だがにらみ合っているとおかしくなって抱き合って笑い出してしまった。
結局、美羽から「好き」という言葉は聞けなかったが、いつか絶対に言わせてやると心に誓ったのだった。
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