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【評価が高め】実はレズだった憧れの先輩の口止め料は①(1/2ページ目)
投稿:2022-08-17 19:19:48
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①
首すじの後ろににジリジリと日光の紫外線を浴びながら、僕は高校に入ってから二度目の夏休みを終え登校した。約一ヶ月もダラダラとアルバイト先と家との往復だけの生活をしていた僕にとっては三十度を下回る九月の気温ですら猛暑に感じた。
高校の最寄り駅に近付くにつれて同じ制服の学生が目立つようになってきた。見知った顔もいれば知らない顔もある。四月ではないからここにいるのは全員在校生だから厳密に言うと初めて見る顔というのは、ただ自分が認知しようとしていないだけだった。
駅に着いて改札を出ると、さっきよりも同じ制服の生徒が増えていた。制服かそうじゃないかでみると八対二ほどの割合で学生が多かった。僕は折り畳んだフェイスタオルで額を拭いながら、長い坂道を上り正門へと向かった。
道中、僕の隣を何人もの学生が徒歩や自転車で追い抜いていったが誰一人として僕に声を掛ける者はいなかった。先に言っておくが少なからず僕はいじめられたり、嫌われたいたりはしていない。クラスでも比較的うまく無難に立ち回っていた。ただ夏休み明けの初日は皆忙しいのだ。
久しぶりに会った友人に近況を報告したり、まだ片付いていない課題を見せてもらう為に交渉したり。とにかく僕に話し掛けるよりも優先的で重要な用があったという事だ。
教室に入ると中に人はほとんどおらず、自分の席に鞄だけを置いて各々違うクラスの友人と話をしていた。やれやれと思う気持ちと少し羨ましい気持ちを抱きながらぼーっと夏休みを振り返った。アルバイト以外の予定といえばお盆に家族皆で墓参りに行ったぐらいだった。
(今年は例年に比べてつまらない夏休みだったなぁ…けどまぁバイト頑張ったから給料は楽しみだな。さてと、何を買おうかな…)
僕がぼーっと頬杖をつきながらワックス掛けされた床に視線を落として考えていると、突然背後から背中を叩かれた。バシイィ!っという音に隣に座る地味な女の子はチラッとこちらを見た。振り向くより先に隣のその女子と目が合った。改めてブスだなと思った。
ギリギリ届かない背中を手でさすりながら振り返ると、そこには同じクラスの秀人が不適な笑みを浮かべながら立っていた。この秀人が僕の親友ならストーリー的にも面白くなって行くのだろうが、残念ながら僕達はそんな関係性ではなく、彼はよく話をするだけのただのクラスメイトだった。
もし明日、彼が突然死んでも驚くだろうが泣きはしないだろう。
「痛いって。何だよ急に」僕は苛立ちを隠さず言った。
「相変わらず暇そうにしてるな!夏休みエンジョイしたか?」
「特にしてない。いつも通りだった」
「けっ!しけてんな」
秀人はそう言うと僕の机の上に腰を下ろした。
「何だよ、すぐそこなんだから自分の席に座れよな」
「そこだと話しにくいじゃん」
「別に今無理に話をしなくてもいいだろ。もうすぐ先生が来るし」
「来たらすぐ戻るよ」
「あっそ」
僕は秀人の存在を無視しながら、すでに綺麗に整理された鞄の中をさらに整理した。彼は暇そうに僕の動きを観察していた。そしてしばらくして沈黙に耐えかねたのか彼から口を開いた。
「なぁ、お前彼女とかいないの?」
「いないよ」
「欲しくないの?」秀人はニヤニヤしながら言った。
「どちらかと言えば欲しいかな。お前は彼女いんの?」
「いるよ。今付き合って一週間なんだ」
それを聞いて僕は、なんだこいつ?結局はその報告がしたかっただけか、と思った。
「そうなんだ。誰?」
「三組の深田」
「深田?」
「そっ!ダメもとで告ったらオーケーだったんだ」
「やるじゃん」
そのタイミングで教室のドアが開き、少し日焼けした小太りの担任が教壇についた。
「また後でな」秀人はそう言って斜め前の席へ戻った。
(また後で?あいつまだ話すつもりなのか…?)
担任が話を始めても僕はしばらく秀人の彼女になった三組の深田の事を考えていた。だけど何度考えても顔が浮かばなかった。五クラスあるから一定数可愛い女子もいるのだが、少なくとも秀人の彼女になった深田は僕の中の可愛い女子リストに名は載っていなかった。
その後の授業は滞りなく進み昼休みを迎えた。僕は売店でいつものソーセージパンとたまごを挟んだだけのたまごパンを買い、いつも通り教室の自分の席で昼食をとった。この日は教室で昼食を取っている生徒は比較的少なく、静かだった。食べ終わると僕は鞄に忍ばせた朝に買った週刊少年誌を開いた。
お目当ての作品を読み終わり、残りのページをパラパラと流していると、背後に気配を感じた。振り返ると少年誌を覗き見る秀人の姿があった。
「何?」
僕が雑誌に目を戻しながら溜め息混じりに言うと秀人が空いている隣の席に腰を下ろした。さっきいたブスは席を外していた。
「吉野はさぁ、彼女作んないの?」
「また彼女の話?それに作るとかそういうのじゃないだろ」
「じゃあどういうのだよ?」
「作るってか、自然とそういう感じになるだろ?要するに欲しくなってすぐにできるものじゃないって事」
「運命の出会い的な?」
「それはちょっと大げさだけど。まぁそういう事だな。お前もダメもとで告ったって言ったけど、いけそーな可能性感じたから告ったんだろ。本当に何も感じなければ告ったりしねーよ」
「ふむ。お前けっこうロマンチックなんだな」
僕は返事をせずに秀人を無視した。けれど秀人は話すのをやめない。
「なぁ、ちょっと女漁りに行こーや。まだ時間あるし」
「はぁ!?お前彼女いんだろ?」
「俺のじゃねぇーって。お前のだよ」
「いいってそういうの」
「何照れてんだよ。ほら、行くぞ」
秀人は僕の肩を強引に掴んで教室から飛び出した。初めは強く抵抗したが、秀人の力が思いのほか強く無理に抵抗するとシャツが破れると思ったので僕はしぶしぶ秀人について行った。
秀人は渡り廊下へ出ると、そこで歩みを止めて柵を乗り出して中庭を見下ろした。そこにはバラバラの学年の女子達のグループが複数あり、各グループごとに分かれてベンチを陣取りながら昼食をとっていた。
「さて、吉野くん。誰を狙いますか?」
「は?誰も狙わねーし」
「ノリわっる。いいから選べよ、声掛けてきてやるよ」
「しつこいな」
そう言いながら僕は渋々中庭にいる女子達のグループを一つ一つ観察した。けれどそこには少なくとも僕が彼女にしたいと思える女子はいなかった。
「いねーわ」
「っんだよそれ!つまんねーの」
「しょうがないだろ?お前もしっかり見ろよ。ブスばっかじゃん」
「んーそうか?」
秀人はそう言って中庭でランチをする女子達をなめるように見渡した。
「あー…すまん」
「だろ?罰ゲームかっての。てかもう教室戻るぞ」
そう言って僕が校舎に向き直すと、前方から四人組の女子グループが渡り廊下を渡ろうとやってきた。そのグループの先頭を歩いている女子を僕は知っていた。彼女は黒崎瑠花、歳は一つ上でめちゃくちゃ美人で評判の先輩だ。先輩といってもこちらが一方的に知っているだけで向こうは僕の事を知らないし関わりもない。
彼女は家が金持ちで本物のお嬢様だった。肌も白く脚も綺麗で、脚フェチの僕は彼女の脚をおかずに数回自慰行為をした事もある。それに髪も綺麗な黒髪ストレート、まるでシャンプーのCMに出演している女優のような髪質だった。ただまだ成長過程なのか、胸だけはやや小ぶりだった。
黒崎瑠花は中学から人の目を惹いていた。彼女は美人で頭も良く、当時はギャルだった。ギャルといってもそこいらにいるメイクをベタベタに施した下品なギャルではなく、タレントのような華がある綺麗な白ギャルだった。
高校に入ってからは校則が中学より厳しい事もあって髪色やピアスなどは控え目になっていたが、それでも美人がゆえに周りの生徒との差というか、オーラが格段に違った。
前方から彼女達のグループがこちらへ向かってきて、僕は目を反らした。特に理由はない。
しかし突然、秀人はそのグループに声を掛けた。
「よおっ!」
(っ……!?)
僕は慌てて秀人を見た。すると秀人は笑顔で手を挙げている。秀人の視線的にその相手は黒崎瑠花ではなく、黒崎の隣を歩いていたショートカットの女子に対してだった。
「あっ、秀人くん…もうご飯食べたの?」
「ああ、もう食べた!」
「そっか」
そのやり取りを見ていて感づいた。多分これが秀人の彼女になった深田さんだ。会話はそれだけだった。先頭を歩いていた黒崎は隣にいる深田が話をしている数秒間立ち止まり、二人の様子を伺っていた。この場に秀人以外の知り合いがいない僕は秀人の隣で少し気まずい思いをしていた。
目の前にあの黒崎さんがいると思えば緊張するし、それに黒崎以外は知らない女子だし、どんな顔をして待てばいいのか分からなかった。そして何気なく目の前の黒崎の脚を見た。まあ脚フェチだから自然と短いスカートから伸びる脚に目がいったのだけなのだが……
脚から腰、胸、そして顔に視線を向けた時。僕は思いっきり黒崎と目があった。ドキっとしたというよりはヒヤッとした。ここで僕がイケメンならば黒崎はきっとニコッと微笑んだだろう。しかしお世辞にも容姿を褒められた事の無い僕に黒崎の視線は冷たかった。
「はっ?」言葉を声に出してはいないが、その時目があった瞬間の黒崎の口元は間違いなくそう言っていた。僕は急いで目を伏せた。黒崎は何も言わず、スタスタと歩いて行った。
「ラブラブだろ?」
「何が?」
「深田と俺だよ」
僕は「そうだな」と適当に相槌をうった。
「深田さんて二年だよね?三年とも仲良さそうだったな」
「あれ多分部活のグループだよ。吹奏楽部の先輩だろ?」
「へぇ、そうなんだ」
「お前黒崎さんに惚れてるだろ?」
「なっ……!?んな訳ないだろ!」
秀人は「くくくっ!」と笑い、お前は表情に出過ぎだと言った。それに対して僕は必死に反論した。
「まじで好きとかじゃないって!まともに話した事もねぇよ」
「じゃああの眼差しと目の反らしようは何?」
「それはー……」この後しつこく追及される事が目に見えていたので僕はさっさと観念した。同じ中学出身だけど、話した事もないし好きとかの恋愛感情はない。
たた脚フェチの自分には彼女の脚は魅力的だし、もちろん容姿もタイプだ。だから彼女を目の前にすると性的な目で見てしまうし緊張すると言った。
それを聞いた秀人は意外にも冷やかさず「たしかに黒崎瑠花は雰囲気エロいし可愛いわな」と静かに言った。
「けどあいつってお嬢様なんだろ?それにあれだけ美人なら彼氏もいるだろうし、もしいなくても相当理想高そうだよな。放っておいても男はいくらでも寄ってくるぜ。飴玉を落とした時の蟻みたいにさ」
「要するに僕なんかじゃ釣り合わないって言いたいんだろ?分かってるよそんな事ぐらい。虚しくなるからあんまり言うな」
「すまん」
「別に彼女を好きじゃないからいいって」僕は笑いながら言った。
それからしばらくの間、僕は余計に黒崎瑠花を意識してしまうようになった。SNSで彼女の名前を検索してアカウントを探ったりもしたし、彼女が過去に投稿した水着姿の写真や全身が写っている制服姿の写真をおかずに自慰行為もした。そして毎度射精しては(なにやってんだろ俺)と虚しくなるのだ。
ある日の放課後、この日はバイトも休みだったので僕は課題を終わらせてから帰ろうと図書室で居残りして課題を進めていた。そして部活をしている生徒達がぞろぞろと帰り始める気配がしたと同時に自分も帰ろうと課題を切り上げて図書室を出た。
夕日によって茜色に染まる廊下を一人歩いて、下の階へ向かおうと踊り場に出た時、頭上から女子数人の声が聞こえた。位置的に部活を終えた吹奏楽部が音楽室から出てきたのだろう。いつもならそのまま帰路につくのだが、気が付くとなぜか黒崎瑠花を探している自分がいた。
それにこの踊り場は絶好のパンチラスポットだ。実際に利用した事はないが、日頃DQN男子がここを陣取って騒いでいたから僕もその事を知っていた。
それに今は生徒も少なく、この場には僕一人しかいない。もちろん好奇心と思春期特有のエロが勝った。
僕はDQNと同じ場所へ静かに移動し、上階の女子達を視認した。そこは面白いぐらいパンチラを見物できた。勃起まではしなかったが興奮した。そして明らかにオーラが違う女子がいるグループを発見した。もちろんそれが黒崎瑠花だった。
僕は息を殺し、柵と壁に身を隠しながら慎重に頭上を見上げた。他の女子と同じように黒崎のパンティも拝見する事ができた。彼女のパンティは濃い水色だった。僕は面白いぐらい勃起した。スマホで盗撮しようとかとも思ったが、さすがにやめておいた。それはリスキーすぎる。
鼻の下を伸ばしながら僕は黒崎の姿のみを目で追っていた。もう他の女子のパンチラなんてどうでも良かった。思い返せば黒崎のパンティを拝んですぐ帰れば良かった。
踊り場の螺旋階段を降りて来る黒崎のスピードが思いのほか早くて、階段の下でこそこそとしていた僕と目があった。幸いにも周りにいた他の女子は僕の姿には気が付いていないが、黒崎には完全にバレた。焦った。
僕は慌てて走り出した。普通に考えるとこんな時間にパンチラゾーンに一人でいて、目があった瞬間走り出したら、そんなのはもう完全に黒だ。だけどテンパった僕はその辺の判断力が鈍っていた。
校門を出てそのまま小走りで駅まで向かった。日頃からそこまで運動をしない僕は駅に着いた頃には後一歩で過呼吸になるぐらい呼吸が荒れていた。
(走ったんだ。さすがにもう大丈夫だろう)
僕は改札の前の売店でコーラを買い、トイレで大便をした。そしてホームへと上がり、ベンチに座って一息ついた。すぐに電車が来てそれはいつもの急行ではなかったが飛び乗った。自宅の最寄り駅についた頃には完全に他の事を考えていた。だらだらと帰宅途中のサラリーマンの波に混じり、改札を出た辺りで後ろから声がした。
「ねぇ、ちょっと」
僕は一瞬固まった。しかし自分じゃないと言い聞かして声を無視した。
「ちょっと待てって」
後ろから肩を捕まれた。慌てて振り返ると嫌な予感が的中した。僕の目の前に黒崎瑠花が立っていた。
「な、なに…何ですか?」
「お前さ、学校でうちのパンツ見てたろ。あの階段のとこで」
「見てませんよ」
「じゃあ何で目が合った途端に走り出したんだよ」
「それは…そ、その」
「お前ほんときもいよ。それにどっかで見た事あるなーって思ったらこの前、渡り廊下でもうちの脚とか胸見てたろ?」
「そ、そんな事…知りませんよっ、いちいち覚えてないし」
「ふーん、まぁどうでもいいけどさ。けどうちは覚えてんだよね。ただただ不快だしきもいのよ」
「…………」
「いくら持ってんの?」
「え?」
「え?じゃないわよ。慰謝料よ」
最悪だ。僕は今ここで漫画の冴えない主人公のようにカツアゲされかけている。
「いやお金はちょっと…」
「ふん、じゃあいいわよ。明日から学校でこの事言いふらすから」
「言いふらすったって証拠なんて無いじゃないですか!」
「そんなの関係ないわよ。皆は警察じゃないし裁判官でもない。嘘っぱちだとしても信じた方が面白そうだから信じるわよ」
「そんな…そんなのあんまりですよ」
「あんたみたいな変態にパンティ見られた私の方が可哀想よ。いいから早くお金出して」
僕は助けを求めたかったが、横を通り過ぎていく人々はまるで僕達が透明人間であるかのように無視してどんどん通り過ぎていく。制服の男女が改札を出て話しているだけだ。視界に入ったとしてもそれはただのカップルに見えるだけだろう。まさかカツアゲされかけているとは誰も思うまい。
僕は渋々財布を取り出した。中身を数えると四千円と小銭が少し入っている。
「ほら、早く」
僕は四千円を指でつまんで黒崎に差し出した。千円にも満たない時給でバイトする僕にとって、この金額を稼ぐのに四時間以上掛かると思うと悲しくなった。
僕がお札を持ったままうつ向いていると黒崎は笑い声をあげた。
「あはは!冗談よ!びっくりした?ごめんねっ」
「え?」
「だから冗談だってば!ちょっとからかってやろうと思っただけ」
「そ、そんなぁ。泣きそうになりましたよ」
「ははっ、だっさー。ほら、帰ろうよ」
まさかまさかの展開である。まさに天にも昇る思いとはこの事だ。黒崎いわく、いつも通り急行に乗って帰ってきたら、さっき逃げた僕の姿が見えたから少しからかってやろうと思ったとの事。
「ねぇ、他の皆はどんなパンティはいてた?エロいのとかいた?」黒崎はニヤニヤと笑いながら言った。
「知りませんよ、そんなはっきり見えなかったし」
「やっぱ見てたんじゃん!きっも!」
僕は無視して歩き続けた。
「もっかいうちのパンティ見る?今日のは今夏の新作なんだ」
「いや、いいです」
「冗談よ。誰が見せるか」
そして僕達がコンビニの前を通り過ぎようとした頃に、彼女が言った。
「ここでパパと待ち合わせしてるんだ。良かったら送ってってあげよっか?」
「い、いや!大丈夫です!もう家近いしこのまま帰ります」
黒崎はつまらなさそーに「そっ」とだけ言った。
「じゃあね、おパンティ吉野っ」
彼女はそう言うとそそくさとコンビニへと入って行った。
(おパンティ吉野?最悪の呼び方じゃないか。それに何で黒崎瑠花は僕の名前知ってるんだろう?)
言うまでもなくこの日僕は黒崎をおかずにオナニーをした。
その日以降、黒崎は僕によく話し掛けるようになった。廊下や食堂や駅など会うたび「よっ、おパンティ!」といった具合にだ。黒崎の周りには常に他の女子がいたから僕は心底やめてほしかった。
たまたま帰りが一緒になった日なんかは何回か一緒に帰ったし、彼女が帰り道に「マック寄りたい」と言い出せば僕はそれに付き合った。きっかけこそ不純だっが、僕は彼女と仲良くなった。
しかし僕は不思議と彼女に恋愛感情を抱く事はなかった。もちろん一級の容姿を持つ彼女を性的な目で見ていたし、一緒にいてたまに拝めるパンチラなんかは最高だった。けど黒崎を彼女にしたいっていう気持ちはなかった。
僕が思うにそれは彼女が僕を男として接していないのと、彼女自身そういった男女を話題にした話をしなかったからだと思う。恋愛感情が湧かない点としては親戚の姉ちゃんや従兄弟と話しをしているみたいな感覚だった。それに思い返せば、彼女が僕以外の男子と一緒にいるのを見た事がなかった。
そしてある日僕は黒崎に聞いてみた。
「黒崎さんて彼氏いないんですか?」
「いないよー」彼女はスマホをいじりながら興味無さそうに言った。
「へぇ、じゃあ好きなタイプとかは?」
「んー、別にないかな。好きになった人が好き」
パッとしないなぁと思った。秀人が言ってたみたいに理想が高ければ高いほど聞いている方も面白いのに。意外にもそういうのに興味無いのかもしれない。
この事を秀人に言うと「彼女には言い寄ってくる男が多いからうんざりしてるんだよ」と言った。
それから三日後のある日の晩。
バイトを終えた僕が自宅へ向かって自転車を漕いでいると前方にうちの高校の制服を着た黒崎らしき女子高生の姿が見てとれた。僕は追い抜きざまに脅かしてやろうと思って後をつけた。
近づくにつれて前を歩くその女子高生が黒崎だと確信を得た。接触まで50メートルほどになった時、待ち合わせをしていたのか、とある公園の入口で黒崎は同じ高校の制服を着た女子と合流した。スマホの時間を見ると21時を少し過ぎた辺りだった。
(こんな時間に……?)
僕は自転車を漕ぐのをやめ、少し様子を伺った。待ち合わせをしていた女子に見覚えがなかったが、黒崎と話している感じを見れば彼女も三年なのだろう。そして二人はそそくさと公園の中に入っていった。
僕は公園の入口まで行って彼女達を見た。すると彼女達は二人で手を繋いで茂みの中にあるベンチへ腰を下ろした。
(女同士で?)
一瞬不審にも思ったが、男同士が手を繋ぐ事に比べれば、女同士で手を繋いだり腕を組む事は別に無くはないか。彼女達が茂みに入ってしまい、僕の視界から消えた。なぜか気になった僕は自転車を止めてゆっくり茂みに向かって歩き出す。
時間も時間だったので公園内に人気は無く、入口に犬の散歩をする老人が一人いただけだった。
ここは地元にある公園の一つなので園内マップは頭に入っている。彼女達はその中でも一番奥に位置するベンチへと向かった。そこは園内でも街灯が少ないエリアで、夜になると自然と人は寄り付かない。
ベンチに腰を下ろした彼女達は談笑を始めた。僕は彼女達の座るベンチの丁度対面に位置する茂みに身を潜めた。
辺りは静まりかえっているし、彼女達の声もよく聞こえる。どうやら話題は年相応なもので恋ばなだった。
「ねぇ、美里。あんな奴と早く別れちゃいなよ。男なんて臭いだけじゃん」
「ははは、またそのハナシィ?るーちゃんいっつもそれ言うね。たしかに男って臭いよね」
「でしょ!?夏場なんて最悪よ」
「そうだね。あの汗と男特有の臭いはきついね」
「そうでしょ?うちの方が良い匂いだし彼氏にしてよ。美里はデートばっかで寂しいよ」
「ははは!そんな事ないよぉ。私的には半々でるーちゃんと会ってるつもりだよ?」
「いーや、うちの方が少し少ないっ」
「拗ねてんのぉ?かーわいっ。ぎゅーしよっ」
そして彼女達は互いを包み込むように抱き合った。
「ぎゅーしたらムラムラしてきちゃった……」
「えぇ~?るーちゃん早いよぉ」
「だって美里の事好きなんだもん。それに今日だって久しぶりに会えたから」
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(2020年05月28日)
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